食と畑の自然の循環

私が小学生の時、小さな平屋の借家住まいの吐き出し窓からね
広々と田畑の景色が見渡せてね
時折、天秤棒担いだおじさんが、かぐわしい匂いをさせながら通るのが見える
それはね、肥ダメから肥を運んでいたの
肥(こえ)は人の排せつ物なのね
「あったあった、田舎だったので畑の隅に大きな瓶に肥を入れてあって、そばを通る時やっぱり匂いがしていたのを覚えている。瓶の中で発酵して肥料になるのよね、きっと。」
「そうそうあったよね、茶色っぽい大きな瓶がね。」
こんな話が通じるのも久しぶり
バキュームカーがやってきて汲みとっていた、それ以前のこと
肥がまさしくお野菜にとって肥料となり立派に育ち
収穫して食卓にのり、いただきますと
そして消化吸収され排せつ物となる
今では水洗トイレとなり畑には化学肥料が投入され
自然のサイクルが崩れて久しい。